技術士一次試験(化学部門)情報
令和7年度の技術士第一次試験は、11月23日(日)にあります。
以下化学部門に特化した1次試験の対策と勉強方法です。参考にしてくだされば幸甚です。
1.第一次試験の考え方
化学(専門科目)の勉強は、以下の点で決して無駄にはなりません。
・化学を基礎から復習できる良い機会になります。技術士になると化学の基礎知識は大いに役にたちます。
・1次試験(化学)の勉強は二次試験にも活用できます。特に二次試験Ⅱ-1の対策となります。
2. 試験対策
R6年度の専門科目(化学部門)は、個人的な感想ですが、有機化学の問題が難しく、化学装置・設備(計算問題)はじっくり考えると解ける問題でした。無機化学、高分子化学、燃料・潤滑油は例年と同レベルの難易度でした。
今回の全問題をもう一度復習することから始め、本年度に向けて準備を進めましょう。
3. 勉強方法
1次試験の出題レベルと出題形式は、ここ数年同じです。従って、過去問からキーワードを抽出し、このキーワードを中心に勉強されることをお勧めします。
カテゴリーは、①有機化学、②燃料・潤滑油、③無機化学、④高分子化学、⑤化学装置・設備(計算問題)の5つです。化学分野は範囲が広いのが特徴です。これら5分野の基礎的内容を幅広く学習し、各分野50%以上の正解を目標とすることが、合格の決め手となります。
一方で、自分が二次試験で選択する科目は、特に勉強しておくことをお勧めします。例えば自分の業務がセラミックス関連なので「無機化学」を選択しようと考えているとします。その場合、「各種無機化合物の製造方法、物性、種類、分析方法」、「機能性無機材料の用途、特徴、課題」などをより注力して勉強してください。二次試験でも有利に展開できます。
逆に、一次試験の学習を進めていく中で、自分はどの分野が得意なのかが明確となれば、その分野を二次試験の選択科目としても良いかもわかりません。
4. キーワード集の作成方法
過去問を中心にキーワード集を作成することをお勧めします。キーワード集は、二次筆記試験でも活用できるように、そのk-ワードの①原理、②概要、③特徴(メリット、デメリット)、④用途についてまとめることをお勧めします。単純に項目を挙げていくのではなく、
「原理からくる特徴」→「その特徴からのメリットデメリット」→「その長・短所からの用途や注意事項」といった感じでまとめると、自分のものにできます。
例えば、ポリカーボネート樹脂:
①合成法:ビスフェノールAとホスゲンの重合
②特徴:非結晶性なため透明で耐衝撃性に優れる、芳香族環をもつため耐熱性に優れる、非晶性でカーボネート結合により耐溶剤性は劣る
③用途:耐衝撃性良のためヘルメットや自動車部品、透明性を活かしゴーグルや光学レンズ
5. 試験当日
自分の回答を正確に問題用紙に記載し保管しておくことをお勧めします。正答と自分の答案と照らし合わせ、合格の場合は二次筆記試験の準備を早めに始めることをお勧めします。
6.R5年度一次試験結果
R6年度の一次試験の統計数字は以下の通りです。
申込者数:人(100%)
受験者数:人(77%:対申込者数)
合格者数:人(50%:対申込者数)
受験申込みをされたにもかかわらず、受験を断念した方が1/4もいる非常に厳しい試験でした。
(参考)
R5年度一次試験結果
申込者数:226人(100%)
受験者数:173人(77%:対申込者数)
合格者数:112人(50%:対申込者数)
R4年度一次試験結果
申込者数:256人(100%)
受験者数:194人(76%:対申込者数)
合格者数:107人(42%:対申込者数)
R3年度一次試験結果
申込者数:254人(100%)
受験者数:192人(76%:対申込者数)
合格者数:93人(37%:対申込者数)
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