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化学部門における技術士コンピテンシー
技術士第二次試験は「技術士コンピテンシー」で評価されます。特に、口頭試験では、以下の6つのコンピテンシーで合否が決まります。技術士会発行資料には各コンピテンシーの全般的な説明はありますが、化学部門に携わる技術者にとっての”定義”や”観点”は当然のことながら示されていません。残念ならが化学部門に特化した口頭試験の参考書もありません。
以下に示します。
「このことだったら経験がある。」「過去、このことに関して、こういった内容で解決した。」など思い当たることが多々あるのではないでしょうか?その内容を口頭試験の回答とすることをお勧めします。以下の内容を自己の経験や業務内容と照らし合わせ、口頭試験の回答を準備していただければ幸いです。
決して一般論ではない、素晴らしい(試験官を納得させる)回答となると考えるからです。
<評価>
1.定義:施策のメリット・デメリット、リスク、波及効果を明らかにすること
2.化学部門特有の観点
①メリットと波及効果:所属団体の価値向上と、”素材”によるSDGsへの貢献
②デメリットとリスク:化学物質の安全性への懸念と環境負荷
<マネジメント>
1.定義:「評価」に基づく、経営資源(ヒト/モノ/カネ/情報)の再配分、強化/削減
2.化学部門特有の観点:素材の研究開発と製造における経営資源の再配分、強化/削減
<コミュニケーション>
1.定義:関係者との意思疎通
2.化学部門特有の観点:様々な関係者に応じた意思疎通
①社内:自部門:上司・部下・同僚・協力社員
他部門:原料調達、企画、研究開発、生産技術、製造、品質保証、物流、販売
②社外:顧客、生産委託先、共同研究先、廃棄・処理業者
③海外:外国人(語学力ばかりでなく文化や国民性の理解)
<リーダーシップ>
1.定義:関係者間のトレードオフの調整
2.化学部門特有の観点:様々な部門間のトレードオフ
①マーケテイング部門:コスト/納期優先 VS 品質保証/開発/生産部門:安全性/信頼性優先(開発コストを抑制し納期を優先させると安全性や長期信頼性の確保が困難となる)
②販売部門:コスト、販売数量の確保 VS 製造部門:品質、安定生産性の確保
(販売実績化を優先させると、品質や生産トラブル防止が困難となる)
③大学研究:メカニズム、基礎理論解析 VS 企業の研究:製品の品質・コスト・納期
(大学はメカニズムや理論解析志向となり、企業は販売実績志向となる)
④人材開発部門:人材育成 VS 製品化担当部門:QCD
(QCDを優先すると熟練技術者仕事を進めることになるが、若手の育成が困難となる)
<技術者倫理>
1.定義:公益の確保、倫理違反の禁止
2.化学部門特有の観点
①公益の確保(過去の遺産である公害の再発防止、軽度なミスが重大な事故につながる)
②倫理違反:納期優先によるデータの改ざん防止、化学物質に関する法規/規制変更(含知財))対応
<継続研鑽>
1.定義:専門的学識能力の向上
2.化学部門特有の観点
①各種専門分野の学会での情報収集/発表、特許出願
②日本化学会化学部会主催の各種イベントへの参加
以上
第一次試験(専門科目:化学部門)過去問題 解答と解説(抜粋)
化学部門(専門科目Ⅲ)の中で頻繁に出題されている問題を中心に,その解答と解説を掲載しました。
参考にしてくだされば幸いです。
・令和四年度技術士第一次試験 化学部門(専門科目) Ⅲー1,Ⅲー8,Ⅲー15,Ⅲー22,Ⅲー29
(現在アップ中です。しばらくお待ちください。)
・令和三年度技術士第一次試験 化学部門(専門科目) Ⅲー1,Ⅲー8,Ⅲー15,Ⅲー22,Ⅲー29
・令和二年度技術士第一次試験 化学部門(専門科目) Ⅲー1,Ⅲー8,Ⅲー21,Ⅲー29,Ⅲー31
・令和元年度技術士第一次試験 化学部門(専門科目) Ⅲー1,Ⅲー11,Ⅲー16,Ⅲー21,Ⅲー32
・令和元年度技術士第一次試験(再) 化学部門(専門科目) Ⅲー1,Ⅲー11,Ⅲー16,Ⅲー21,Ⅲー31